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野生サルの左手のわな、外してあげて…住民要望

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ワイヤが左手にまとわりついたテツコ。首に付いているのは発信器(熱海市提供)

 静岡県熱海市に生息する野生のニホンザルが、「くくりわな」と呼ばれるワイヤ製のわなが左手にまとわりついた姿で住宅地などに出没し、今年初めから、住民から助けるよう求める声が市に寄せられている。

 これを受け、市は近く動物保護の専門業者に救助を委託する。

 市農林水産室によると、このサルは「テツコ」と呼ばれる推定15~20歳の雌で、人間であれば80歳程度。同市北部から神奈川県境近くに生息する6頭の群れの1頭で、野生のサルの群れが母系中心に行動することや年齢からみて地位は高いと考えられている。

 同市周辺のサルの群れは、絶滅の恐れがある地域個体群とされ、静岡県版レッドデータブックに掲載されている。かつて神奈川県湯河原町の有料道路「湯河原パークウェイ」周辺にいた群れに属し、観光資源として餌付けされていた時期があったため、人間に慣れてしまったという。

 そこから分散した群れが熱海市周辺に移り、畑はもとより住宅地の人家や市街地の商店にまで餌を取りに来るようになった。市の2人の巡回員が山へ追い返そうと努めるが、「人里の方が簡単に餌を得られるので、追い払ってもなかなか逃げない」(神尾勲・熱海市農林水産室長)というのが実情だ。

 くくりわなは、有害な動物を駆除するための道具で、木の幹などにワイヤを固定し、そこから延ばしたワイヤの先の輪が、踏んだ動物の四肢の一つを締め付けて捕らえる仕組み。テツコにまとわりつくワイヤは、自分でねじるなどして切ったか、わなを仕掛けた関係者が切ったのではないかとみられている。

 くくりわなの使用には、環境省や県の許可証または狩猟者登録証(免許)が必要だ。同市周辺では農作物の被害防止のため、主としてシカやイノシシの捕獲に使われる。

 テツコは、市が保護目的で群れの行動を把握するために発信器を取り付けた3頭のうちの1頭で、居場所は確認できる。市は今年度補正予算に関連経費を計上しており、市の委託を受けた業者が、麻酔銃などを使って捕獲後、必要があれば傷の手当てなどをしたうえで、群れに戻すことになる。

2016年10月16日 09時11分    Copyright © The Yomiuri Shimbun