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「D52」48年ぶり自走、ファンからどよめき

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大勢のファンに囲まれながら動く機関車「D52形」(14日、山北町で)

 神奈川県山北町の山北鉄道公園にある蒸気機関車(SL)D52形が14日、48年ぶりに自走した。

 汽笛を鳴らし、圧縮空気を動力に十数メートル前進すると、地域住民や鉄道ファンから歓声が上がった。地元の元国鉄OBらも万感の思いでその雄姿を見守った。

 D52は1968年に引退し、70年から公園に展示されていた。町は昨年から地方創生交付金を活用して動態化事業に取り組み、「鉄道の日」のこの日、「D52 奇跡の復活祭」と称して“初運行”を行った。

 公園には、国内で唯一動くD52を見ようと大勢の人が詰めかけた。午前11時、湯川裕司町長が「出発進行」の合図を送ると、D52は大きな汽笛を吹鳴させてゆっくりと動きだし、ファンらからどよめきが起きた。

 石炭と水による水蒸気ではなく、圧縮空気でSLを動かす方法を考案した元SL機関士の恒松孝仁さん(61)は昨冬から、群馬県の自宅とを往復して整備を進めてきた。「これだけの多くの人が見に来てくれ、こみ上げるものがある」と、動く姿を感慨深げに見守った。

 かつて「鉄道の町」として栄えた山北町には、多くの国鉄・JR元職員が住む。OB組織「山北町健鉄会」の岩本章治会長(76)はD52を見つめながら、「時がたつほどに動いてほしいという思いが募っていた」としみじみ語った。

 新鶴見機関区でD52の検査を手がけていた中戸川進さん(75)は、「D52は自分の子供のよう。走ることは二度とないと思っていたので、感動は人一倍です」。山北鉄道公園保存会の関亀夫会長(83)は、「今後は枕木1本寄付運動などを通じて、レールを延伸する機運を盛り上げたい」と意気込んだ。

 トークショーも開かれ、元プロ野球選手で鉄道写真家としても知られる屋鋪やしき要さんが、「もう少し長い距離を走る姿を見たい」と注文。湯川町長は「最大限頑張ります」と応じていた。運行は15日も午前10時と午後3時に行われる。(丹下信之)

2016年10月15日 06時11分    Copyright © The Yomiuri Shimbun