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鬼界カルデラ調査へ…南九州の縄文人絶滅の原因

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神戸大の練習船「深江丸」(神戸大海洋底探査センター提供)

 神戸大海洋底探査センター(神戸市)は、7300年前に鹿児島沖で海底火山が巨大噴火を起こしてできた「鬼界カルデラ」の調査を13日から始めると発表した。

  海底からさらに地中深くにたまっている可能性があるマグマの位置や大きさの測定を5~10年かけて進める。同大によると、マグマを継続的に観測し、膨張などの変化を捉えられれば世界初で、噴火の予測につながる可能性があるという。

 担当するのは、通常よりもはるかに規模の大きい「超巨大噴火」が専門の同センター長、巽好幸よしゆき教授(マグマ学)のチーム。

 巽教授によると、鬼界カルデラは、日本では最も新しい時期に起きた超巨大噴火で形成され、南九州の縄文人の絶滅を招いたとされる。再噴火すれば、日本に壊滅的な被害を与えかねないが、噴火の恐れがあるかはよくわかっていない。

 火山は、地下に蓄えられたマグマだまりに圧力が加わり、上部や側面の地盤や壁に割れ目ができ、噴火すると考えられている。しかし広範囲を地中深くまで調べるのは難しく、詳細な仕組みは解明されていない。

 調査対象の鬼界カルデラは、海中にあるため、地上の火山と異なり周辺に建物などの障害物が少なく、船舶を航行させながら調べることができる。そのためマグマだまりの位置や大きさ、変化を正確に測定できる可能性がある。

 13日からは約2週間かけて初期調査を実施する。同大の練習船「深江丸」に、海中で空気を噴出して人工地震波を起こす装置を搭載。地中を伝わる地震波の反射波や屈折波を、海底地震計や海面付近の受信機で測定・分析し、海底構造の解析などを進める。

 調査は5~10年間の長期にわたる予定で、国立研究開発法人「海洋研究開発機構」なども参加。同機構の地球深部探査船「ちきゅう」で海底掘削を行い、過去の地層から鬼界カルデラの活動の歴史を解明する調査なども検討している。

 巽教授は「噴火を予測するためには、まずマグマだまりの大きさや変化などの前兆現象を捉えるのがカギ。我々の試みはその第一歩になる。解析が進めば、海底火山だけでなく陸の火山にも応用できる」としている。

 ◆鬼界カルデラ=噴火によってできたくぼ地の一つで鹿児島・薩摩半島から南約50キロに位置する。東西約23キロ、南北約16キロは国内有数の大きさ。ほとんどは海面の下にあるが、北端の隆起した一部が海上に出ており、それぞれ竹島、硫黄島(通称・薩摩硫黄島)と呼ばれている。硫黄島は活火山で、気象庁の常時観測対象となっている。

2016年10月10日 15時07分    Copyright © The Yomiuri Shimbun