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総ヒノキ造りの初代カローラ 森の間伐材で実物大模型

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ヒノキの間伐材で作られた初代カローラ。仕上げのためボランティアたちが表面をサンドペーパーで磨いている=愛知県豊田市本町の「あすて」

 ヒノキの間伐材を使った初代カローラの実物大の模型ができた。外観から内装に至るまで初代の車を元にした設計図から忠実に再現した。愛知県豊田市のボランティアグループ「森のプレゼント」が中心となって、地元企業の無償協力も得て2年がかりで作り上げた。12月にお披露目される予定だ。

 カローラ豊田市本町の公益財団法人「あすて」に置いてある。

 窓ガラスやネジなど一部部品を除き、ほぼヒノキでできた模型だが、扉は開閉でき、前の座席は前後に動かせる。タイヤ部分も回すことができる。

 ボランティア施設の拠点である「あすて」が今年12月に設立50周年を迎えることから、2年前に記念事業として製作が企画された。

 実動部隊となったのは、「あすて」で間伐材からベンチなどを作っては寄贈をしていた森のプレゼント。メーカーの元社員ら50~70代の男女20人が加わっている。

 カローラを選んだのは今年が発売から50年を迎えた記念の年でもあったため。「自動車の町を象徴する車でもあり、間伐材の有効利用や、豊かな森が豊田にあることを広くアピールできると考えました」と、「あすて」の事務局、石黒秀和さん(46)は言う。

 材料となる間伐材は同市下山地区で一昨年12月から3カ月かけて切り出し、計264本を運び出した。製材機で厚さ3~4センチ、長さ4メートルの板にし、乾燥させた。

 一方、企業も無償で協力。設計図がなかったため、11年前にアイシン精機(愛知県刈谷市)が復元した初代カローラを借りて、トヨタ自動車にある最新の機器で測定してもらった。データを元に豊田市内の杉浦木型製作所が設計図を作製した。杉浦和正社長(70)以下47人の中小企業だ。空いた時間を利用して、板を加工し、250にわたる部品を今年4月から一つひとつ作っていった。

 杉浦社長によると、間伐材は節が多く、割れやすいためベテランの職人が中心となって組み立てた。「手間ひまはかかったが勉強になった。間伐材でこういう物まで作れると知ってもらえるのでは」と話す。

 9月、間伐材は精密な模型に生まれ変わって、「あすて」へ帰ってきた。週1回、森のプレゼントのメンバーが集まって表面をサンドペーパーで磨いている。トヨタ自動車の元社員、増田澄雄さん(65)は「これほどの物になるとは感無量。わずかな突起も傷も取り除いてきれいに仕上げたい」と話す。

 12月11日の「あすて」設立50周年の式典で公開されるが、メーカーや団体から展示をしたいとの打診が寄せられているという。石黒さんは「いずれは県内各地で見ていただけるようにしたい」と話している。問い合わせは「あすて」(0565・52・0362)へ。(臼井昭仁)

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 〈カローラ〉 トヨタ自動車が1966年11月に初代を発売。排気量1・1リットルのエンジンを搭載し、全長3・845メートル、幅1・485メートル、高さは1・38メートル。3年後に乗用車の国内新車販売台数の首位に立ち、2001年までその地位を守り、大衆車の代名詞となった。シリーズ累計の販売台数は世界で4400万台、うち国内では1258万台(8月末時)。

2016年10月7日11時34分    朝日新聞デジタル