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豊洲の安全検証、二重チェックで長期化必至

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特命チームの方針を説明する小島座長(17日、都庁)

 豊洲市場(東京都江東区)で土壌汚染対策の盛り土をしていなかった問題で、東京都は豊洲市場の安全性を2つの組織で検証する。二重のチェックは慎重に検討するためで時間を要することは必至だ。老朽化が深刻な築地市場中央区)の移転は見通せなくなってきた。

 小池百合子知事特命の市場問題プロジェクトチーム(PT)は、知事が8月、移転延期を表明したことを受けて発足が決定した。延期の最大の理由を安全性の検証の不十分さとしており、環境相時代の部下で信頼の厚い小島敏郎氏を座長とした。かねて都が進めている地下水調査などのデータを材料に検討を進める予定だった。

 その後、豊洲市場の建物の地下に盛り土をしていないことが発覚。2008年に同市場の土壌汚染対策として盛り土を提言した「専門家会議」を改めて設置することにした。以前と同様に平田健正・放送大学和歌山学習センター所長(環境水理学)が座長を務め、提言に反して生まれた地下空洞の実態を調べ、改めて安全性を点検する。小島氏がオブザーバーとなり知事特命チームでの議論に結びつける。

 都が17日に公表した地下空洞内のたまり水の成分調査結果では、ベンゼンは検出されなかった。ヒ素六価クロムは検出されたが、平田氏は「環境基準値以下なので全然問題ない」との見方を示した。ただ、たまり水について「地下水の影響を受けている可能性は否定できない」と語った。豊洲市場の土壌からはかつて高濃度の化学物質が検出された。たまり水が地下水の場合、化学物質が揮発する恐れもある。

 平田氏は盛り土のない状態でも安全かどうかを検証する考えを示したが、「すぐに終わる問題ではない」と表明。結論を出すには相当の時間がかかる可能性を示した。連動する特命チームの調査も「『専門家会議』のメドがつかないと土壌汚染のところが積み残しになる」(小島氏)。

 市場問題PTでは、地下空間の存在が判明したことで建物の強度なども調べる。築地市場より光熱費などがかかるため卸売業者の経営への影響、膨大な事業費の新市場の採算性も検証する。

 都は豊洲市場の問題ではこの2つのほかに、副知事らをメンバーとする庁内横断組織で地下空洞になった決定過程などを調査する。石原慎太郎元知事が地下にコンクリートの箱を入れる案の検討を指示した経緯もある。

 小池知事は移転の延期を表明した時点では、地下水の調査結果が出そろう来年1月ごろを判断の目安としていた。しかし盛り土問題の発覚で大幅にずれこむ公算で、小島氏は「(安全性の再検証が)まだ始まっていない段階では何とも言えない」と明言を避けた。

2016/9/17 23:27    日経新聞