読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今日のニュース

気になったニュース

ブドウ、期待の新品種…甲府の農家10年かけ

f:id:obaco:20160917173406j:image

1粒が約9グラムもあるマスカ・サーティーンをチェックする植原さん

 ブドウの品種改良に取り組む甲府市の農家、植原宣紘のぶひろさん(75)が、人気品種の「シャインマスカット」を基にした新品種「マスカ・サーティーン」を開発した。

 シャインマスカットよりも皮が薄くて果肉が軟らかく、食べやすいのが特長だ。農家の間でも人気が高く、植原さんは「贈答用ブドウの主役に躍り出てほしい」と期待している。

 マスカ・サーティーンは、黄緑色のシャインマスカットと、鮮やかな赤紫色の「ロザリオロッソ」を掛け合わせた。黄色みの強い黄緑色で、糖度はシャインマスカットと同程度の18~20度。シャインマスカットは、皮が薄くて種がないため、皮ごと食べられるが、マスカ・サーティーンはさらに皮が薄く、果肉も軟らかいために食べやすい。

 交配に成功したブドウに付けた管理番号は「13」だった。そこで、現実の国際情勢を背景に、「ゴルゴ13」と呼ばれるプロの狙撃手が活躍する人気コミック「ゴルゴ13」のファンの植原さんが、「マスカ・サーティーン」と名付けた。

 植原さんの父、正蔵さんもブドウの品種改良に取り組んでいて、1955年に開発した「甲斐路」が大ヒットした。植原さんも約30品種を開発してきたが、「シャインマスカットを超えるブドウを絶対に生み出したい」と、対抗意識を燃やし続けてきた。シャインマスカットの基になった品種の一つが、植原さんが開発した品種だったことも、品種改良に打ち込む原動力となった。

 新品種を開発するためには、異なる品種のブドウを交配させ、採取した種約300個を植える。ブドウの木が伸びて実を結ぶと、色つやや大きさ、甘さなどを確認し、残す木を決める。マニュアルはなく、経験と勘だけが頼りだ。5通りの交配から採取した種を植え、1000本以上の木の中から、植原さんの目にかなったのがマスカ・サーティーンだった。開発に取りかかってから約10年間かかり、植原さんは「他の農家なら、きっと途中でやめていただろう」と胸を張る。

 昨年、品種改良に取り組む全国の農家約80人が集まった研修会で、約100種のブドウを対象に、「これから栽培したい品種」のアンケートを行うと、マスカ・サーティーンが1位に輝いた。植原さんは「ブドウ本来の魅力のみずみずしさを楽しんでほしい」と話している。

 この夏に収穫したマスカ・サーティーンは、既に売り切れた。来年収穫するマスカ・サーティーンの予約や、農家向けの苗木の販売についての問い合わせは、植原さんの植原葡萄研究所(055・233・6009)へ。(内山景都)

2016年09月17日 14時39分    Copyright © The Yomiuri Shimbun