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出雲大社「庁舎」解体中止を…初の危機遺産警告

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イコモス側が警告を出した、解体計画がある出雲大社の「庁舎」(今年3月)

 国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)の20世紀遺産国際学術委員会が、島根県出雲市出雲大社が進める境内の施設「庁舎ちょうのや」の解体計画について、「危機遺産警告」を出したことがわかった。

 出雲大社に計画の中止と修繕・保存を検討するよう、9日付の文書で求めた。国内の文化遺産で、同警告は初めて。

 庁舎は1963年、建築家の菊竹清訓きよのり氏(1928~2011年)が設計して建てられたコンクリート造り一部2階建て(延べ631平方メートル)。これまで宝物の展示や、参拝者の受付窓口などで使われてきた。

 建設当時の最先端の建築技術を駆使し、コンクリート造りながら、出雲地方で稲を干す「稲はで」をイメージさせるデザインで、伝統的木造社殿が立つ出雲大社境内で周囲と調和。63年に日本建築学会賞を受賞するなど国内外で高く評価された。2003年には日本建築学会などの「日本の重要な近代建築100選」に選ばれた。

 20世紀遺産国際学術委員会は、国際的に活躍している建築家らで構成。出雲大社が老朽化を理由に解体と建て替えを計画したのに対し、「庁舎はほかの美しい伝統的神社建築の優れた引き立て役になっている」「歴史的重要性だけでなく、建築的、芸術的な価値の高さも疑いの余地はないが、まだ十分な記録と考証が行われているとはいえない」などと反対している。

 同委の日本代表委員で、東京理科大の山名善之教授(建築意匠・建築史)は、読売新聞の取材に対し、「庁舎の文化遺産としての価値を出雲大社に認識してもらい、将来にわたって建物が受け継がれるよう、新たに方策を講じてもらいたい」としている。

 出雲大社の川谷誠一総務部長は「コメントすることはない」と話した。

2016年09月15日 15時21分    朝日新聞デジタル