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いつも笑顔、家事手伝う姿も…河川敷16歳遺体

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井上翼さんの遺体が見つかった都幾川河川敷で、手を合わせる男性=25日午前9時6分、埼玉県東松山市下唐子、角野貴之撮影

 埼玉県東松山市下唐子しもがらこ都幾川ときがわ河川敷で23日、吉見町の井上翼さん(16)の遺体が見つかった事件で、井上さんを知る人の間に悲しみが広がっている。

 現場では友人らが花を手向け、死を悼んだ。

 井上さんの実家の近所で3年前まで駄菓子店を開いていた女性(81)は、小学生だった井上さんが、兄弟らと自転車に乗ってよく店に来たことを思い出し、「元気いっぱいのかわいい子ども時代を知っているので、余計に悲しい」とうつむいた。

 井上さんの実家近くのパート女性(59)は、井上さんが小学生の頃、下校して自宅に誰もいないと、遊びに来たことを覚えている。いつもにこにこしていて、女性が「宿題あるんでしょ」と聞いても、「テレビ見てもいい?」「ゲームやってもいい?」と言うような遊びが好きな子だった。

 草むしりや洗濯物を干すなど、家事を手伝う姿を何度も見かけた。約1か月前にも洗濯物を干していて、声をかけると「こんにちは」とあいさつしたという。女性は「あんなにいい子がなぜ事件に巻き込まれたのか。あの笑顔を思い出すと、ショックです」と声を詰まらせた。

 地元の中学時代はバスケットボール部に所属。学校によると、約3キロ離れた自宅から自転車で通い、3年間ほとんど学校を休まなかったという。校長は「いつも元気で笑顔、明るい生徒だった。社会人としてこれから活躍してほしかった。本人も悔しくてたまらないだろう」と肩を落とした。

 井上さんが通った県立定時制高校によると、井上さんは昨年4月に入学し、日中に授業のあるコースに通っていたが、同11月に中退した。元担任らは井上さんについて「明るくて人なつっこい生徒だった」と話し、ショックを受けた様子だったという。副校長は「在籍した縁のある生徒が亡くなってしまったのは本当に残念。本人も家族も無念だったろう」と話した。

 現場は24日に規制線が解除され、友人らが花を手向けに訪れた。高校時代の先輩という女性(18)は「会ったのは1か月くらい前。勤めているスポーツショップに来てくれた。人なつっこくて人気者だった。また一緒にバスケをやりたかったね」と呼びかけた。

 井上さんの父親友進ゆうじさんは24日、「大切な息子がこのようなことになってしまい、家族一同今は大変動揺しており、深く悲しんでいます」とのコメントを出した。

2016年08月25日 20時14分  Copyright © The Yomiuri Shimbun
 
 
 

知人に「先輩に金巻き上げられた」 埼玉の事件の被害者

 埼玉県東松山市の都幾(とき)川河川敷で遺体で見つかった井上翼さん(16)=同県吉見町=を殺害したとして、25日、同い年の知人の少年が逮捕された。井上さんは近所の人にあいさつする朗らかな少年だった。一方で、昨年ごろから広がった交友関係を危ぶんでいた知人もいた。

 「翼はみんなから慕われるとてもいい子だった」。井上さんが一時通っていた高校の先輩という会社員の女性(18)は24日に現場を訪れ、花を手向けた。井上さんは高校でバスケットボール部に所属し、声を張り上げてチームを引っ張っていた「人懐っこい後輩」。最近も女性の勤め先に顔を出し、「先輩」と慕ってくれたという。井上さんと「もう1回バスケがしたかった」と声を詰まらせた。

 県警によると、井上さんは父母と兄、弟との5人家族。学校関係者や知人らによると、吉見町の中学校を昨春卒業後、隣接する同県鴻巣市内の定時制高校に進んだ。高校の教師らによると、明るくて人懐こい生徒。昨年11月の文化祭ではクラスの企画で仮装をした。教師が声をかけるとニコニコしていたという。

 しかし、井上さんはその直後に退学。町内のコンビニエンスストアでアルバイトをしていた時期もあった。

 井上さん宅の近くに住む夫婦は「会うとあいさつもよくしてくれた。すごく良い子」と話す。ただ、高校に入学してからは、印象が少し変わり、派手な格好をした友達と遊ぶようになり、髪も染めるようになったという。

 知人らによると、昨年ごろから隣の東松山市など町外の知人らとも交遊するようになり、夜遅くに出歩いているのを見かけることも多くなった。

 東京都内に住む知人の女子高校生(17)によると、井上さんは今月上旬に会った際、「お金がない」と漏らしていた。理由を尋ねると、「先輩に金を巻き上げられた」と答え、女子高校生は「不良とつきあっているのかな」と感じたという。「人の喜ぶ姿を見るのが好きですごく心が強い子だった」と悼んだ。

 23日朝、井上さんは自宅から約10キロ離れた河川敷で、胸から下が土砂に埋まった状態の遺体で見つかった。前日には台風による増水で冠水していたとみられる場所。遺体発見後、現場には知人らが連日訪れ、飲み物や花を供えて手を合わせている。

 井上さんの父親は24日夜、県警を通じて「今回大切な息子がこのようなことになってしまい、家族一同今は大変動揺しており、深く悲しんでいます」との談話を出した。

2016年8月25日16時19分 朝日新聞デジタル