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先輩・後輩、ふたりで金 登坂と土性、居残り練習の日々

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金メダルを手に笑顔を見せる(右から)登坂絵莉、伊調馨、土性沙羅=林敏行撮影

 五輪初出場で金メダルに輝いたレスリング女子48キロ級の登坂(とうさか)絵莉(22)と69キロ級の土性(どしょう)沙羅(21)は、憧れの吉田沙保里(33)を追って同じ高校、大学で高め合った先輩と後輩だ。この日を夢見て始めた2人だけの居残り練習が実った。

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       左:登坂絵莉選手             右:土性沙羅選手

 1学年違いのふたりは、吉田が練習拠点にしている至学館大愛知県大府市)の道場で一緒に練習がしたくて、親元を離れて至学館高(名古屋市)にやってきた。富山県生まれの登坂は、レスリングを始めた小学3年生のときに至学館大の練習を訪れ、吉田に出会った。三重県出身の土性は2014年に亡くなった吉田の父、栄勝(えいかつ)さんが自宅で開いていたレスリング道場に通い、吉田を近くで見てきた。

 先に世界に羽ばたいたのは登坂だった。13年の世界選手権48キロ級で金メダル。でも、練習では吉田とのスパーリングで足元にも及ばなかった。後輩に負けることすらあった。「これじゃあ、世界で勝ち続けられない。もっと練習しないとだめだ」。全体練習が終わり、誰もいなくなった道場でひとり、トレーニングを続けた。

 その姿を見ていた土性は最初は、「絵莉さん、頑張ってるなあ」と思うだけだった。13年に初出場した世界選手権の67キロ級では、いきなり銅メダルを獲得した。ところが、「私も世界一になりたい」と狙った翌14年の世界選手権は決勝で敗れ、大粒の涙を流した。

 「何かを変えないとだめだ」。あいさつや必要な会話を交わす程度の仲だった登坂に対し、勇気を振り絞って申し出た。「一緒に居残り練習させてください」

2016年8月18日11時40分 朝日新聞デジタル