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実は危ない、パスワードの定期変更

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当たり前のように使われている「パスワードの定期的な変更」はかえってセキュリティーを弱めることがある

 アカウントを安全に保つため、学校や職場から2~3カ月ごとにパスワードを変更するよう求められているのではないか。これは広く実施されているセキュリティーの推奨事項だ。

 ただし、これは完全に間違っている。

 米連邦取引委員会(FTC)でチーフテクノロジストを務めるローリー・クレイナー氏は先週、米ラスベガスで開催されたセキュリティー会議でこの“通説”を打破した。

 

■かえって安全性が低下することも

 

 つまり、定期的にパスワードの変更を要求すれば、揚げ句の果てにはパスワードの安全性が低下する羽目になる。パスワードの変更を求められると、大半の人は昔のパスワードを使うようになり、大して変更しないからだ。

 あるいは小文字を大文字に変えたり、パスワードの最後に文字をくっつけたりするかもしれない。研究者らはこうしたちょっとした工夫を「変換」と呼んでいる。ハッカーはこれをよく分かっている。

 このため、実社会のパスワード破りは、こうした予想可能な変換を自分のスクリプトやパスワード破りのルーティンに組み込む。

 IT(情報技術)ニュースサイトのアルス・テクニカによると、クレイナー氏は「パスワードを90日ごとに変更するよう求められると、これをパターン化したり、いわゆる『変換』を行ったりする傾向があると米ノースカロライナ大学(UNC)の研究チームは述べている」と指摘。「昔のパスワードを使ったり、少しだけ変えたり、新しいパスワードを考え出したりする」と述べた。

 クレイナー氏は定期的なパスワード変更を求める7700のアカウントのデータに着目したUNCによる2010年の研究を引用した。

 

■ランダムなパスワードが理想だが……

 

 セキュリティー専門家のブルース・シュナイアー氏もこれに同意する。5日にはブログで「これはセキュリティー上、まずいアドバイスだと何年も前から言っている。脆弱なパスワードを促すことになるからだ」と語った。

 これはパスワードの変更は絶対に良くないという意味ではない。ビジネス向け交流サイト(SNS)のリンクトインを襲ったサイバー攻撃のように、大規模な情報流出で自分のパスワードも被害に遭った場合、他のサイトでこのパスワードを再び使うのであれば(そうすべきではないが)、もちろんこれを変更すべきだ。

 安全なパスワードを選ぶ最善の方法は随時変化しており、筆者はセキュリティーの専門家ではない。一般的には、長くランダムなパスワードが望ましい。シュナイアー氏は自らのブログで有益なアドバイスをしている。ここではイラストで簡単に覚えられるシステムを提案している。

 

By Kif Leswing(米ニュースサイト、ビジネスインサイダー)

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

2016/8/11 6:30 日経新聞