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天皇陛下、お気持ちを表明 ビデオメッセージ

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象徴としてのお務めについて、お言葉を述べる天皇陛下宮内庁提供

 宮内庁は8日午後3時、天皇の位を皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を周囲に示していた天皇陛下が「象徴としてのお務め」についてのお気持ちを示したビデオメッセージを公表した。陛下は自身の衰えが進むなかで「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが難しくなるのではないか」と懸念を表明。憲法上の立場から直接的な表現は避けながらも、将来的な退位の意向を強くにじませる内容となった。

 また、天皇に代わり皇太子さまが国事行為を行う「摂政」については「天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません」と否定的な考えが示された。

 お気持ちは7日夕、お住まいの皇居・御所で収録された。8日午後、宮内庁のホームページに掲載される。天皇陛下がビデオメッセージを公表するのは、東日本大震災後の2011年3月以来、2回目。

 現状では天皇に退位は認められていない。政府は陛下のお気持ち表明を受け、内閣官房に置く皇室典範改正準備室を中心に、生前退位を含め、対応について議論を進める方向だ。(島康彦、多田晃子)

2016年8月8日15時00分 朝日新聞デジタル

 

「象徴の務め困難に」天皇陛下、生前退位を示唆

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メッセージを読み上げられる天皇陛下(7日午後、皇居内の御所・応接室で)=宮内庁提供

 天皇陛下は8日午後3時から、国民に向けたビデオメッセージで「高齢になった天皇の望ましい在り方」についての考えを発表された。

 数年前から、体力の低下を覚え、これから先の身の処し方を考えるようになったとして、「今後、象徴としての務めを果たすことが難しくなる」と述べ、「終身天皇」を前提とした制度の問題点を挙げながら「生前退位」の意向を示唆された。政府は陛下のお言葉を受け、安倍首相がコメントを発表する予定。

 ビデオでは、天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えるとしたうえで、約10分間にわたり、個人的な考えを述べられた。

 陛下は即位からの28年間を振り返るなかで「人々の傍らに立ち、声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切」と天皇観を語られた。だが、2003年に前立腺、12年に心臓の手術を受け、80歳を過ぎ、「全身全霊をもって象徴の務めを果たすことが難しくなるのではないか」と案じられている。

 陛下に配慮した公務の削減について「象徴としての行為を限りなく縮小していくには無理がある」と述べ、国事行為を代行する摂政を置く場合も「天皇の務めを果たせぬまま、生涯天皇であり続けることに変わりはない」との考えを示された。

 また、天皇崩御とともに皇位が継承されるいまの制度で、天皇が健康を損なうと国民の暮らしに影響が及ぶことや、葬儀と即位の行事が同時に進み「残される家族が厳しい状況下に置かれる事態」を避けたいとの気持ちも明かされた。

 最後に、お言葉を発表した理由について「象徴天皇の務めが途切れることなく、安定的に続いていくことを念じ、気持ちを話した」と説明。国民の理解を得られることを「切に願っている」と締めくくられた。

2016年08月08日 15時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
 
 
 

天皇陛下「お気持ち」表明 「生前退位」を強く示唆

 宮内庁は8日、天皇陛下が象徴としての務めについての考えを示されたビデオメッセージを公表した。現在82歳の陛下は「次第に進む身体の衰えを考慮する時、全身全霊で象徴の務めを果たしていくことが難しくなるのではないかと案じている」と表明。「生前退位」には直接言及されないものの、その意向を強くにじませた。

 皇位継承などについて定めた皇室典範に生前退位に関する規定はなく、実現には法改正が必要。陛下の表明を踏まえ、政府は有識者の意見を聞くなどの対応を検討するとみられる。

 宮内庁が8日午後3時に公開したビデオメッセージは約10分。冒頭、陛下は「天皇が高齢となった場合、どのような在り方が望ましいか、個人として考えてきたことを話したい」と説明。自らが2003年と12年に2度の外科手術を受け、高齢による体力の低下を自覚するようになったころから「これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合」に、どのように身を処すのが良いかを考えるようになったと語られた。

 象徴天皇として「人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切と考えてきた」とし、各地の訪問といった公務の大切さを強調。高齢化でそうした公務や国事行為を縮小するのは「無理があろうと思われます」と、負担軽減には否定的な見解を示された。

 摂政の設置も「天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせない」とし、望ましくないとの考えを話された。

 天皇が重篤な状態に陥れば「社会が停滞し、国民の暮らしにも影響が及ぶ」と指摘。天皇として逝去した場合は葬儀などの行事の負担が大きく、こうした事態を避けたいとの思いを語られた。

 そのうえで「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことを念じる」と述べ、務めが果たせなくなる前に皇位を皇太子さまに譲りたいとの意向を強く示唆された。

 生前退位を巡っては、7月13日、陛下が5年ほど前から周辺に意向を示されていることが表面化。関係者によると、陛下は「象徴としての務めを果たせるものが天皇の位にあるべきで、十分に務めが果たせなくなれば譲位すべきだ」と話されていたという。

 宮内庁によると、ビデオメッセージの撮影は7日午後、お住まいのある皇居・御所の応接室で行われた。

2016/8/8 15:00 日経新聞

 

 

全文「象徴の務め果たしていくことが難しくなるのでは」

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 戦後七十年という大きな節目を過ぎ、二年後には、平成三十年を迎えます。

 私も八十を越え、体力の面などから様々な制約を覚えることもあり、ここ数年、天皇としての自らの歩みを振り返るとともに、この先の自分の在り方や務めにつき、思いを致すようになりました。

 本日は、社会の高齢化が進む中、天皇もまた高齢となった場合、どのような在り方が望ましいか、天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、私が個人として、これまでに考えて来たことを話したいと思います。

 即位以来、私は国事行為を行うと共に、日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を、日々模索しつつ過ごして来ました。伝統の継承者として、これを守り続ける責任に深く思いを致し、更に日々新たになる日本と世界の中にあって、日本の皇室が、いかに伝統を現代に生かし、いきいきとして社会に内在し、人々の期待に応えていくかを考えつつ、今日に至っています。

 そのような中、何年か前のことになりますが、二度の外科手術を受け、加えて高齢による体力の低下を覚えるようになった頃から、これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました。既に八十を越え、幸いに健康であるとは申せ、次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています。

 私が天皇の位についてから、ほぼ二十八年、この間(かん)私は、我が国における多くの喜びの時、また悲しみの時を、人々と共に過ごして来ました。私はこれまで天皇の務めとして、何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが、同時に事にあたっては、時として人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました。天皇が象徴であると共に、国民統合の象徴としての役割を果たすためには、天皇が国民に、天皇という象徴の立場への理解を求めると共に、天皇もまた、自らのありように深く心し、国民に対する理解を深め、常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる必要を感じて来ました。こうした意味において、日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も、私は天皇の象徴的行為として、大切なものと感じて来ました。皇太子の時代も含め、これまで私が皇后と共に行(おこな)って来たほぼ全国に及ぶ旅は、国内のどこにおいても、その地域を愛し、その共同体を地道に支える市井(しせい)の人々のあることを私に認識させ、私がこの認識をもって、天皇として大切な、国民を思い、国民のために祈るという務めを、人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは、幸せなことでした。

 天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます。また、天皇が未成年であったり、重病などによりその機能を果たし得なくなった場合には、天皇の行為を代行する摂政を置くことも考えられます。しかし、この場合も、天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません。

 天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。更にこれまでの皇室のしきたりとして、天皇の終焉に当たっては、重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ二ケ月にわたって続き、その後喪儀(そうぎ)に関連する行事が、一年間続きます。その様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります。

 始めにも述べましたように、憲法の下(もと)、天皇は国政に関する権能を有しません。そうした中で、このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ、これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました。

 国民の理解を得られることを、切に願っています。

2016年8月8日15時00分 朝日新聞デジタル

 

news.yahoo.co.jp