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はな子、安らかに…69歳大往生

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飼育員からバナナを受け取って食べるはな子(1月15日)

 ◆突然の別れ、ファン嘆く

 長年、多くのファンに愛されてきた都立井の頭自然文化園のゾウ「はな子」が26日、69歳(推定)で死んだ。戦後初めて来日したゾウは、愛くるしい姿で人気者になり、多くのファンがいた。「はな子がいて当たり前だったのに」。来園者は元気だった頃のはな子をしのび、別れを惜しんだ。同園は27日から、ゾウ舎前に献花台を設置する。

 「はな子がいかに多くの人に愛されていたかを実感している。感謝申し上げたい」。26日夕、都庁で記者会見した同園の永井清園長は時折、言葉を詰まらせながら、はな子の様子を振り返った。

 今年3月下旬に予定されていた69歳を祝う会は、体調を崩して中止された。エサを食べる量は徐々に減っていたが、それでも回復の兆しを見せ、飼育員が手で持って草などを差し出すと食べていたという。

 運動場に出ない状態が続いていたが、死ぬ前日の25日まで、ゾウ舎内は公開されており、多くの人が訪れていた。子供から高齢者までファンも多く、永井園長は「これまで多くの方に心配していただいたが、残念でならない」と話した。

 1954年に上野動物園から井の頭自然文化園に移ったはな子。体調不良が続いた時期もあったが、飼育員の努力で何度も立ち直ってきただけに、来園者らは突然の別れに肩を落とした。

 ◆鼻で花摘む姿、つぶらな瞳…寂しいよ

 武蔵野市吉祥寺本町、主婦川越尚代さん(69)は、はな子と“同級生”。小さい娘を連れ、よく来園していた。「つぶらな瞳が本当にかわいらしかった。同い年で一緒に頑張ろうという思いだったが、寂しい限り」とがっかりした様子で話した。

 約30年前から夫とよく同園を訪れている小金井市梶野町、主婦黒田久子さん(65)も「いなくなったことが信じられない。60歳の誕生日イベントで、果物などが入ったケーキをおいしそうにほおばっていた姿が忘れられない」と肩を落とした。

 調布市に住む作家熊井明子さん(75)は、同園の年間パスポートを購入するほどのファン。今年3月の祝う会が中止になり、体調が気になり足を運んでいた。「精いっぱい生きる姿にいつも元気づけられていた」と熊井さん。今でも花を鼻で摘んで遊ぶはな子が目に焼き付いているという。

2016年05月27日 Copyright © The Yomiuri Shimbun