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加藤被告の上告棄却、死刑確定へ…秋葉原殺傷

 東京・秋葉原で2008年に7人が殺害され、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件で、殺人や殺人未遂などの罪に問われ、1、2審で死刑判決を受けた元派遣社員・加藤智大ともひろ被告(32)に対し、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は2日、上告を棄却する判決を言い渡した。死刑が確定する。

 判決によると、加藤被告は08年6月8日昼過ぎ、日曜日の歩行者天国でにぎわう秋葉原の交差点に突入し、トラックで5人をはねた後、12人をダガーナイフで次々に刺した。当時21歳の女性と同19~74歳の男性6人の計7人を殺害し、男女10人に重軽傷を負わせた。

2015年02月02日 15時14分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

秋葉原殺傷:「被害と加藤被告の『しょぼさ』釣り合わず」

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中島岳志・北大准教授

 ◇「秋葉原事件」著者の中島岳志・北大准教授

 東京・秋葉原で2008年、7人が死亡し10人が負傷した無差別殺傷事件。2日、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は殺人罪などに問われた元派 遣社員、加藤智大(ともひろ)被告(32)の上告を棄却し、1、2審の死刑判決が確定する。加藤被告の裁判傍聴や友人の取材を基にした著書「秋葉原事件」 がある中島岳志・北海道大准教授(政治学)は「被害の甚大さと、加藤被告の『しょぼさ』(さえない様子)が釣り合わない。それが事件の不条理さを際立たせ た」と指摘する。

 加藤被告は著書で現実を「タテマエ社会」、インターネット上の掲示板を「ホンネ社会」とつづり、被告になりすました人物に掲示板を荒らされたことで「(自分の)命綱が切れた」と動機を解説した。

 中島さんは「彼は地元にも職場にも友達がいて、意思疎通できていた」と指摘する。それなのに現実社会で認めてくれる人と本気で付き合えず、人の痛みが分からないから著書で被害者感情を逆なでした。「こうした被告の『しょぼさ』が大事件を起こすきっかけとなった」

 事件を機に、非正規雇用問題やネット社会の在り方が問題視されたが、事件と安易に結びつけるべきではないという。「それよりも、孤独を感じていた加藤被告本人が事件を起こしたことを悔やむような、若者が世間とのつながりを実感できる社会を築くことが必要だ」と提案した。

毎日新聞 2015年02月02日 22時53分(最終更新 02月02日 23時40分)

 

 

秋葉原殺傷、ネット世代に影響いまだ…被告に「共感」書き込み続く

 犯行に至る過程をインターネットに書き込むなど、「ネット世代」を象徴した秋葉原無差別殺傷事件最高裁で死刑が確定する元派遣社員、加藤智大(ともひ ろ)被告(32)は1審で、大切にしていたネットでの孤独感から犯行に至ったと説明した。一方で、2審以降は出廷することなく、その間出版した4冊の著書 で自分の考えを伝えてきた。発生から6年半、ネットでは加藤被告に共感する書き込みが続くなど、影響はいまだに大きい。

 平成24年以降、加藤被告は事件や生い立ちを振り返る著書を出してきた。そこには「人を殺すつもりはなかった」などと自己弁護する姿が浮かぶ。昨年出版 した本には「死刑確定者は社会から断絶され、書くこともできなくなるのは気がかり」と、人とのつながりをいまだに求めているとも取れる記述がある。

 事件以降、ネット上では加藤被告に共感する書き込みも続く。名古屋市で女性を殺害したとして1月27日に逮捕された名古屋大の女子学生(19)が書き込 んだとされる短文投稿サイト「ツイッター」には、「今日は加藤智大さんの誕生日です。皆さん祝いましょう」とする記述がある。

 法政大文学部の越智啓太教授(犯罪心理学)は「名古屋の事件は殺人に対する単純な興味が見受けられる。共感とは違うのではないか」と分析する。

 一方で、越智教授は「『自分は社会に必要とされているのか』と孤独を感じる人が多くなっている」と指摘。「そのような人は、社会に認められようとするの ではなく、社会への不満を抱き攻撃的になる場合がある。『自分と同じ』と加藤被告への共感を抱くのだろう」という。その上で「現実で孤独を感じ、ネットで も関係性を築けず埋没する人もいるという認識を、社会で共有する必要があるのではないか」と話している。

産経新聞 2月3日(火)7時55分配信