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板挟みのヨルダン政府 アンマンの日本大使館前は騒然

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イスラム国」人質事件の現地対策本部が置かれたアンマンの在ヨルダン日本大使館前には、27日午後、新たな画像公開を受けて多くの日本メディアが集まった=三浦英之撮影

 27日午後5時(日本時間28日午前0時)、現地対策本部があるヨルダンの首都アンマンの日本大使館前。新たな展開を受けて集まった約30人の報道陣がカメラの列をつくり、騒然とした雰囲気に包まれた。日本政府は後藤さんに加え、同じく「イスラム国」の人質になっているヨルダン軍パイロットの救出についてもヨルダン側と連携を始めたばかりだった。

 「イスラム国」は後藤さんを解放するのと引き換えに、ヨルダンで収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放を求めてきた。

 しかし、ヨルダン政府は27日までに公式な声明を出しておらず、政府当局者も朝日新聞の取材に対して「ノーコメント」を貫き続けた。

 そこからは、ヨルダン政府が置かれた立場の難しさが読み取れる。

 ヨルダンは昨年9月からシリア領内での「イスラム国」に対する米主導の軍事行動に参加していた。しかし、昨年12月に北部ラッカでヨルダン軍の戦闘機が墜落し、パイロットが「イスラム国」の人質になった。

 国内では軍事行動に加わることへの反対も多く、さらに、パイロットの救出を優先するよう求める世論が根強かった。

 関係者によると、ヨルダン政府内ではパイロットとリシャウィ死刑囚を交換する案が浮上。「イスラム国」側と水面下で慎重な交渉を進めていたとされる。

 地元メディアによると、アブドラ国王は25日の主要紙編集長との会合で、パイロットの救出が最優先課題だと述べた。後藤さんについての国王の発言は伝えられなかった。

 ヨルダンは日本から多額の資金援助を受ける伝統的な友好国だが、後藤さんの解放をめざす日本政府と、国内世論の間で「板挟み」になっていた。

 イスラム過激派に詳しいヨルダンの研究者ハサン・アブハニヤ氏は、「『イスラム国』は日本とヨルダンとの交渉で真剣味を感じなかったので、24時間の期限を設定した。リシャウィ死刑囚と日本人の人質の交換を求めたが、ヨルダンはパイロットとの交換を優先し、交渉に時間をかけたのではないか」と分析する。

 ヨルダンの態度が「イスラム国」をいらだたせたのか。今回の画像で示された新たなメッセージに、ヨルダン政府がどう対応するかが注目される。(アンマン=渡辺丘、三浦英之

2015年1月28日01時14分 朝日新聞

 

「後藤さん」新映像…信ぴょう性高いと政府高官

 映像に付けられたメッセージでは、後藤さんの解放には、 ヨルダンで拘束中のサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放が必要だとし、ヨルダン政府に対し、24時間以内に同死刑囚を釈放するよう求めた。応じなければ、後藤 さんと拘束されているヨルダン軍のパイロットのムアズ・カサースベ氏が殺害されると説明した。後藤さんの解放に向け、ヨルダン、日本両政府は難しい対応を 迫られることになった。

 映像は、日本時間27日午後11時頃に投稿が確認されており、ここを起点とすれば、日本時間28日午後11時頃に期限を迎える。

 日本政府高官は28日未明、「映像を分析した結果、後藤さん本人である信ぴょう性は高いと判断した」と述べた。

 映像は1分50秒の長さで、「家族と日本政府にあてた後藤健二 の2回目の公開メッセージ」との画面で始まる。24日の映像と同様、男性の静止画像と英語による音声メッセージが流されている。今回は、イスラム国に拘束 されているヨルダン軍パイロットとみられる男性の写真を手にしている。

 メッセージでは、「これは私の最後のメッセージになると言われた」とした。「私の自由を阻む障害は、ヨルダン政府がサジダ(・リシャウィ死刑囚)の引き渡しを遅らせていることだと言われた」と述べ、前回映像でも求めたヨルダン当局による同死刑囚の釈放を改めて要求した。

 そのうえで、ヨルダン政府が応じなければ「パイロットは死ぬこ とになる。その後に私が殺されるだろう。私には24時間しか残されていない。我々を死なせないでくれ」とし、リシャウィ死刑囚の釈放が24時間以内に実現 しなければ、自らとパイロットの双方が殺害されるとの認識を強調。「ボールは今、ヨルダン側にある」と結び、ヨルダン政府の決断を訴えた。

2015年01月28日 02時21分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
 
 

最初の映像、合成ではない…警察庁科警研が分析

 今月20日にインターネット上に投稿された後藤健二さん(47)と湯川遥菜さん(42)の殺害を予告する最初の映像について、警察庁科学警察研究所が「合成や加工した形跡はない」と判断したことが28日、わかった。

 この映像については、2人の影の向きが違うように見えたり、風でなびく服の動きが異なることから、「合成」ではないかとの指摘が出ていた。

 政府関係者によると、科警研が最初の映像を詳しく分析した結果、画像の一部分が切り貼りされた痕跡は見つからなかった。人物の影についても光の当たり具合から向きが異なることもあるという。

 また、24日に投稿された湯川さんが殺害されたとみられる映像も、合成の可能性は低いとみている。

2015年01月28日 11時55分 Copyright © The Yomiuri Shimbun