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原人:台湾で新たな化石発見 北京やジャワと別系統

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アジアで化石が見つかった原人

 台湾沖の海底で新たな原人の化石が見つかったと、国立科学博物館などの国際チームが27日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に発表した。北京原人などアジアの他の原人とは異なる特徴を持つ「第4の原人」と考えられ、古代の人類が各地で多様に進化していたことを示す発見として注目される。【大場あい】

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下あごの化石(レプリカ)を手にする海部陽介研究グループ長=2015年1月26日、大場あい撮影

 チームによると、発見されたのは下あごの骨の右半分の化石。時期は不明だが、台湾本島と澎湖(ほうこ)諸島の間の海域で底引き網に引っかかり、地元収集家が保管していた。この海域では、台湾が大陸と陸続きだったころに生息していたゾウなどの化石が大量に見つかっている。

 2009年に高井正成・京都大霊長類研究所教授が人類の化石と確認した。

 化石に含まれるフッ素などの分析から、アジア東南部に20万年前以降に現れるハイエナの一種と同時代と推定。陸続きだった時期を考慮すると、19万年前より新しい可能性が高いという。

 今回見つかったあごの骨の幅は、75万〜40万年前の北京原人の化石の平均よりも4ミリ以上厚く、親知らずの一つ手前の第2大臼歯も一回り大きかった。80万年前のジャワ原人よりも大きい。

 進化に伴って歯やあごは小さくなるため、ジャワ原人、北京原人の子孫ではないと結論づけた。

 アジアではこれまで、ジャワ原人(120万〜5万年前)▽北京原人(75万〜40万年前)▽03年にインドネシアでみつかった小型のフロレス原人(100万〜数万年前)−−の三つの原人グループが知られている。

 海部陽介国立科学博物館人類史研究グループ長は「台湾での原人発見は予想もしていなかった。今後アジアの人類の化石の空白地帯を埋めていくことで、人類の過去がもっと詳しく分かっていくだろう」と話す。

 ◇人類の進化、多様性示唆

 これまでアジア地域では、保存状態のいい原人旧人の化石はインドネシアと中国大陸の一部でしか見つかっていなかった。今回の発見は、アジアでの人類の進化の多様性を示唆する成果と言える。

 ジャワ原人北京原人はいずれも「ホモ・エレクトス」という種で、別の地域で進化した集団だと考えられている。今回の化石は、あごや歯の特徴が大きく異なる。研究チームは、新たな原人の起源について、アジアに古くからいた原始的な集団の子孫▽アフリカから移動してきた新しい集団−−などが考えられると説明する。