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クルド人組織、シリア要衝を奪還 「イスラム国」から

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 「イスラム国」への米軍主導の有志連合による空爆が続いていたシリア北部の交通の要衝アインアルアラブ(クルド名コバニ)で26日、クルド人民兵組織が市の支配を奪還した。米中央軍も26日「『イスラム国』に対抗する勢力がコバニ市内の9割を制圧した」と明らかにした。

 ロイター通信などが伝えた。コバニはトルコとの国境に位置し、住民の大半はクルド系住民。「イスラム国」は周辺の他のトルコ国境の町を実効支配しており、コバニはそれらをつなぐ重要な地点で、今回の奪還は「イスラム国」の域内物流に打撃を与えることになる。また、コバニは「イスラム国」にとってトルコ国境から戦闘員や武器を集めやすくするほか、支配下の油田・製油施設の石油も売りやすくなるため重要な都市だった。

 昨年9月以降、「イスラム国」に包囲され、クルド人民兵組織が市街戦を続けていた。一時は、市の大半を「イスラム国」実効支配し、黒い旗を掲げた。

 米軍を中心とした有志連合は、地上で戦うクルド人民兵組織を支援するため、上空から連日空爆を続けていた。米中央軍によると、25日にもコバニ周辺で17回の空爆をしていた。空爆のほか、米軍が10月に武器や医療品を航空機から投下し、クルド人民兵組織を支援していた。AP通信によると、9月以降の攻防戦で約1600人が死亡したとしている。(シャンルウルファ〈トルコ南部〉=杉山正、ワシントン=大島隆

2015年1月27日12時54分 朝日新聞

 

クルド人部隊:シリア北部拠点を掌握…イスラム国撃退

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アインアルアラブ(コバニ)の位置

 【カイロ秋山信一、ワシントン西田進一郎】昨年9月から過激派組織「イスラム国」との戦闘が続いていたシリア北部アインアルアラブ(クルド名コバニ)について、イラクのクルド系メディアは26日、クルド人部隊が「イスラム国」を撃退し全域をほぼ制圧したと報じた。米中央軍も「イスラム国に対抗する部隊が約9割を掌握している」との声明を出した。国際社会の注目度が高いコバニ攻防戦で勝利できれば、米軍が主導する有志国連合にとって軍事介入後、最大級の戦果となる。

 声明に先立ち米国防総省のウォレン報道部長は「(コバニから)イスラム国を完全に追い出したとは確認していないが、友軍が町の大部分を掌握している」と記者団に語った。さらに「イスラム国が衰え始めていることの証拠だ」とその意義を強調した。

 コバニはトルコ国境から約2キロのクルド人が多い町で「イスラム国」が昨年9月に三方から攻撃を開始した。危険なシリアに入らず戦闘の様子を取材できるため、多数のメディアがトルコ側から報道。「有志国連合とイスラム国による攻防の象徴的な場所」として注目されていた。

 「イスラム国」に拘束されているとみられるジャーナリストの後藤健二さん(47)も昨年10月にコバニ周辺でクルド人避難民らを取材していた。

 「イスラム国」としては、本拠地ラッカから北部アレッポに進攻する際、後背地のコバニに敵対勢力がいるのは都合が悪い。このため「イスラム国」はアレッポ周辺に展開していた部隊もコバニに投入して攻撃を仕掛け、一時は町の半分を制圧したと報じられた。

 これに対し、有志国連合はコバニ周辺で「イスラム国」の軍事拠点を集中的に空爆。シリアのクルド人民兵組織・人民防衛隊(YPG)は、イラクのクルド自治政府の治安部隊ペシュメルガや、親欧米シリア反体制派の部隊の援軍も受け、反撃していた。

 在英の民間組織シリア人権観測所によると、コバニ攻防戦は112日間に及び「イスラム国」側は979人、クルド側は324人が死亡した。戦闘開始後、トルコ側に約20万人が避難したとされる。

 2012年に本格化したシリア内戦では、アサド政権、反体制派、「イスラム国」が三すくみの構図で戦闘を続けている。有志国連合は反体制派を支援する立場だが「イスラム国による虐殺が起きる恐れがある」などとして、コバニ救援も作戦目標に含めた。

毎日新聞 2015年01月27日 11時36分(最終更新 01月27日 13時04分)