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イスラム過激派が活発化 仏連続テロ、勢力争いの連鎖懸念

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9日、週刊紙銃撃事件を受け、パリのモスク前で警戒する警察官=ゲッティ共同

 【ドバイ=久門武史、カイロ=押野真也】重武装した反抗集団による仏紙銃撃事件が起こった背景には、イスラム過激派組織どうしの勢力争いがあるとの見方 が強まっている。イスラム過激派では「イスラム国」が昨年来、イラク、シリアで急速に台頭しており、アルカイダがこれに触発された可能性がある。アフリカ で勢力を拡大するボコ・ハラムなどを含めた過激派同士の勢力争いがテロの連鎖につながる懸念も強まっている。

 「イスラム国」は米英人の人質の首を切断する映像をインターネット上で公開するなど、戦果や理念を巧みに拡散し、イスラム教徒に合流を訴えてい る。アルカイダを源流としてはいるが、2013年に「本家」との確執が表面化。昨年6月に国家樹立を宣言した「イスラム国」のバグダディ指導者は、預言者 の後継者カリフを名乗っている。

 01年の米同時テロで世界を震撼(しんかん)させたアルカイダ系は、「イスラム国」の台頭により戦闘員や資金の獲得競争でかすみがちになっていた。

 防衛大学校の宮坂直史教授が「互いに派手なテロを起こすことで存在感を示そうとしている」と話すように、アルカイダ系が今回の仏週刊紙銃撃事件でテロを実行する力を世界に見せつけようとした動機はある。

 イスラム過激派は世界各地で凶悪なテロを相次いで起こしている。アフリカ大陸のアルカイダ系で目立つのは、ソマリアの「アルシャバーブ」と、アルジェリアを拠点とする「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」だ。

  アルシャバーブは13年9月にケニア・ナイロビの商業施設を襲撃し、60人以上が死亡。最近でもソマリアやケニア東部などで外国人を狙ったテロ行為を続け ている。同年1月にアルジェリアのガス関連施設が襲撃を受け、日本人も犠牲となった事件の首謀者はAQIMの元幹部だった。

 ナイジェリアでは、イスラム組織「ボコ・ハラム(西洋の教育は罪)」の行動がより過激になっている。14年4月には学校を襲撃して少女200人以上を拉致。その後も北東部の集落を断続的に襲撃し、女性や子供を拉致を重ねている。

 パキスタンでは昨年12月、北西部ペシャワルで学校が襲撃され、生徒ら140人以上が殺害された。「パキスタンタリバン運動(TTP)」が犯行を認めた。TTPは幹部の一部が「イスラム国」への傘下入りを表明している。

  こうした過激派組織の一部は、武器の供与や情報交換などで連携を取っているとの指摘がある。相関図は複雑になっており、主導権争いの一環として国際的な注 目を集めやすいテロを企てる恐れが出ている。個人の判断による攻撃を奨励する例もあり、未然防止には限界もありそうだ。

2015/1/11 1:36 日経新聞