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作家の宮尾登美子さん死去 「序の舞」「鬼龍院花子」

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作家・宮尾登美子さん=2009年10月26日、東京都内の自宅で

 「序の舞」「鬼龍院花子の生涯」など運命にあらがい高い志を持った女性の一生を描き、多くのベストセラー作品を生んだ作家の宮尾登美子(みやお・とみこ)さんが、昨年12月30日、老衰で死去した。88歳だった。葬儀は近親者で営まれた。喪主は次女環(たまき)さん。

 1926年、高知市生まれ。芸妓(げいぎ)紹介業の家に劣等感を持って育つ。17歳で結婚、45年3月に教員の夫、長女と旧満州へ。敗戦後に帰国し、農家の嫁として働きながら小説を書き始めた。

 執筆に力を入れ始めた62年、「連」で女流新人賞に。離婚・再婚を経て66年に上京し、雑誌編集者をしながら書いた「櫂(かい)」で、73年に太宰治賞を受賞した。

 幕末から昭和まで土佐伝来の琴に託し、芸の道を究める女たちを描いた「一絃(いちげん)の琴」(78年)で直木賞を受賞。女性初の文化勲章受章者の日本画家上村松園をモデルに、朝日新聞に連載した「序の舞」(82年、吉川英治文学賞)など、逆境を生きぬく女性の内面に寄り添う作風で、多くの読者を魅了した。

 また、半生を「春燈」(88年)、「朱夏」(85年)、「仁淀川」(00年)など自伝的作品に結実させた。朝日新聞日曜版に連載した「クレオパトラ」(96年)や「宮尾本 平家物語」(01~04年)など大きなテーマにも挑んだ。

 夏目雅子主演の映画になった「鬼龍院花子の生涯」(80年)、「陽暉楼(ようきろう)」(76年)、「天璋院篤姫」(84年)など舞台や映像となった作品も多い。

 08年に菊池寛賞、09年に文化功労者、10年に「錦」(08年)で親鸞賞。12年5月に東京都狛江市から故郷の高知市に転居。東京に戻り、12代市川団十郎を追悼するエッセーを、13年夏に文芸誌「新潮」に発表。自伝的小説の完結も目指していた。いずれも長い年月をかけて入念な準備のうえ執筆した。昨秋、骨折で入院。その後、自宅でリハビリに励んでいた。

2015年1月7日19時18分 朝日新聞

 

「鬼龍院花子の生涯」作家の宮尾登美子さん死去

 逆境を生き抜く女の一生を物語性豊かに描いた作家で、文化功労者宮尾登美子(みやお・とみこ)さんが12月30日、老衰で死去していたことが7日わかった。88歳。

 告別式は近親者で済ませた。喪主は次女、環(たまき)さん。

 高知市生まれ。戦後、結核の闘病や離婚、再婚を経て小説を執筆。1973年、生家をモデルにした「かい」で太宰治賞を受賞し、47歳で本格的な作家活動を始めた。77年に「寒椿」で女流文学賞、79年に「一絃いちげんの琴」で直木賞。「朱夏」「春燈」などの自伝的小説、日本画家・上村松園をモデルにした「序の舞」(吉川英治文学賞)、出身地・土佐を舞台にした「陽暉楼ようきろう」「鬼龍院花子の生涯」、歴史小説天璋院篤姫てんしょういんあつひめ」などで様々な女性たちを描いた。

 ベストセラーの「くら」 をはじめ、映画やテレビドラマ、舞台となった作品も多く、幅広い人気を集めた。90~91年には本紙に「菊亭八百善の人びと」を連載。「宮尾本 平家物 語」にも取り組み、2008年には古代織物の復元に情熱を注ぐ男を主人公にした「錦」を発表。09年、文化功労者に選ばれた。

2015年01月07日 19時37分 Copyright © The Yomiuri Shimbun