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日本の葬送、上海で評判…中国人女性学び伝える

 映画「おくりびと」で注目された遺体を洗い清める湯灌ゆかんを、愛知県内で学んだ中国人女性の呉津娜さん(27)が、上海の葬儀で始めたところ、評判となっている。

 死者への尊厳という日本の文化が中国でも受け入れられつつあるようだ。

 市中心部の葬儀場にある一室は、壁に中国画が飾られ、落ち着いた雰囲気が漂う。呉さんが遺族の目の前で遺体を洗い、服を着替えさせ、化粧を施していく。硬直した顔は、眠るような静かな表情に変わる。

 「最後の対面が遺族の思いに残るようにしたい」と、呉さんは静かに話す。

 福建省泉州市出身の呉さんは、12歳の時に大好きな兄(当時21歳)を交通事故で失った。遺体の損傷が激しく、死に顔を見ることはなかった。「後悔した。同じことを繰り返したくない」と、家族の反対を押し切り、15歳で葬祭業を学ぶ専門学校に入学した。

 2004年に知人の紹介で来日し、上海の葬儀場と交流のある愛知県豊川市の葬儀会社「東海典礼」に就職した。湯灌を終えた遺体を初めて見て、「本当に亡くなったのか」と驚いた。日本の葬儀担当者は遺体に尊敬の念を持って接するのだと感心した。

 遺体の洗い方や装束の着せ方、化粧の仕方など、学ぶべきことは多かったが、一つ一つ覚えていった。東日本大震災では、発生の2日後に現地に入り、遺体安置所で家族が見つけやすいように遺体の顔を拭いた。東海典礼の佐藤弘社長は「意識が高い模範的な人」と評価する。

2014年07月20日 11時45分 Copyright © The Yomiuri Shimbun